2.食べ物 どうすれば良いの(2)

その情報は有益な情報なのか?
情報のカラクリ

 例えば、水。水道水には微量の細菌、有機物や重金属が含まれています。私の家にも一般的な浄水器が付いていて飲み水は浄水器を通した水を使っています。これで塩素臭が消えるのでOKと思っています。一般の家庭でも殆どが浄水器を使用しているのではないでしょうか。でもそれでは納得しないCS患者は多いですよね。私の家で使っている様な一般的な浄水器では取り切れない物質も有ります。そこで、高価なRO処理浄水器を使ったり、湧き水を遠くまで汲みに行ったり。でも湧き水には硝酸態窒素が含まれるのでどこそこのペットボトルの水が良いとか、ペットボトルから化学物質が溶け出すから危険だとか。

 もちろん高価な浄水器だろうが、どこそこの湧水だろうが、ご本人が納得していればOKだと思います。(一生その水を同じ品質で飲み続ける事が出来るかどうかは疑問ですが)でも本やネット、お金を稼いでいるプロの反化学物質ジャーナリストとそれを信じ込んでしまって、アクセス数を増やして満足しようとしている人は、あれが危険、これが発がん性があるとまくしたてます。そんな情報に乗せられて真面目なCS患者は右往左往してやがて自滅させられていきます。

 レストランで食事をしていて、いきなり入ってきた人があなたの食べているものを指さして”これ毒ですよ”って言って勝ち誇ったようにしていたらどう思いますか?それと同じ様な事する人結構いますよね。

 この様な情報は必要な情報でしょうか?RO処理水も硝酸態窒素も以前は知らなかったし。調べれば調べるほど危ない情報が入って来て飲めない、食べられない物が増えて行ってしまいます。

 そもそも本だってネットの情報だって”~は安全です”なんて書いたって売れないしアクセス数も稼げません。

 例えば本屋さんで、”安全安心なコンビニ弁当”と”危険!食べたら死ぬコンビニ弁当”こんな題名の本が有ったらどちらに目が行きますか?売りたいんですよ。有名になりたいんですよ。アクセス数を増やしたいんですよ!!

 でも勘違いしないでください。決してコンビニ弁当を食べろとか水道水をそのまま飲めと言っている訳ではありません。情報発信をしている側のカラクリを理解して下さい。化学物質過敏症患者だからといってそういう人たちと一緒に反化学物質論者?になる必要はないという事です。そちらばかり神経をすり減らさないでください。食事や飲み物だけで改善した人はいません。それどころか過度の食物制限により体調を崩している人が沢山います。

 例えば、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は過剰摂取すると、心筋梗塞などの冠動脈疾患を増加させる可能性が高いと指摘されています。ですから一般の人でも避ける人は多いですよね。私も好きではありません。それ自体は美味しくないし。でもクッキーやパンなど結構色々な加工食品に含まれていて、後から知らずに食べている事に気づく事が有ります。

これ食べてはいけないのでしょうか?

 トランス脂肪酸や、食品添加物を摂りすぎて化学物質過敏症になったのならもちろん避けた方が良いです。でも原因がそうでなければ、完璧に排除する必要はありません。白か黒で考えるのではなくグレーの部分が有っても良いのではないでしょうか?

 商品を手に取って、食品成分にマーガリンと書いてあっても食べたければ買っちゃって良いのではないですか?毎日大量に食べなければ大丈夫ですよ。それより我慢によるストレスは大きいです。

そして情報の時間的からくり。Aさんがaという飲料水が良いと私に教えてくれたとします。Bさんはbという飲料水が良いaはダメ。Cさんはcという飲料水が良いaとbはダメなんて言われると、最後に教えてくれたCさんが偉くて一番正しい様に感じてしまいませんか?そして私はaもbも飲めなくなってしまい、そのうち新しい情報が入りcもダメになっていく。

 そもそも化学物質と呼ばれる物質の摂取と化学物質過敏症の発症との因果関係は分かっていません。だから逆に有機野菜などの自然食品を苦労して食べても治らない。

 自然食品を食べる事は良い事です。美味しいしパワーをもらえます。しかし、それしか食べられない(白か黒かの判断)のは身体や心に非常に多くのストレスを与えて、新たな病気の発症原因となる可能性も有ります。

そして重症化する人ほどこのストレス”心理的要因”を軽視してしまう傾向に有ります。