3.気のせいは簡単ではない
化学物質と診断されて間もない頃、「タナカさん体調どう?」なんて聞かれたものだから、理解してくれるのだろうと思って一生懸命に説明してこの病気の辛さが分かってくれたのかなと思ったら、最後に「気のせいだろ!」って言われた事がありました。その時は怒りやら悲しみで二度と他人には理解してもらおうとは思わないと心に決めたのですが、今はこう思います。「気のせい」だったらどうなんだ!簡単に治せるのか!
もちろん「気のせい」=思い過ごしと捉える程度なら直ぐに改善されるでしょう。
化学物質過敏症の辛い症状が(全てでは無いにしろ)心理的ストレスの影響と考えたらどうでしょうか?
心理的ストレスの影響なんていうと「私の症状は絶対そんなんじゃありません!!だってはっきりとした症状が出るのに!!絶対違います!!」なんて怒られてしまうかも知れませんが。(怒られた事あります)
そもそも化学物質過敏症に限らず心理的ストレスが影響しない病気は有るのでしょうか?
例えばCOVID-19新型コロナウィルス。もちろん発症の原因が心理的ストレスの影響と言うには難しいかも知れません。でも心の持ち方で身体の抵抗力は変わると言われているし、感染してしまった時はどうでしょうか?家族や友人に伝してしまったのではないかとか、症状が急に悪化したり後遺症が残るのではないかとか、いろいろ不安になりますよね。そして病気から快復した後も後遺症としていつまでも残ってしまう事も考えられます。
心理的ストレスが原因で胃炎になったとかお腹を壊したとか、慢性腰痛の多くが心理的要因(過去に経験した痛みに対する恐怖が原因)だとか、あらゆる病気に対して心理的ストレスは影響を及ぼしています。腰痛の様な立てないほどの痛みの原因が心理的要因だったという研究結果がNHKで放送されたこともあります。
腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫 新潮文庫)
夏樹静子
腰痛・治療革命
~見えてきた痛みのメカニズム~
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150712
私は医師ではないので上記の細かい内容については書けませんが、ここでお伝えしたいのは、化学物質過敏症は心理的ストレスを無視しては改善できないし、そしてその心理的ストレス(気のせい)を取り除くのは簡単ではないという事を理解して頂きたいという事です。心理的ストレスなんて関係ないと思っていては改善するのも難しいかもしれません。